男は口を開いた。
「ラオウは『我が生涯に一片の悔いなし!』と言って死んだよね。
男の死に様、かくあるべし。みたいに美談として語られがちだけどさ。
僕はね。死ぬときに、やり残したことはない。悔いはない。
なんて言いたくないんだ。だってちっぽけじゃないか。
君のやるべきことってそんなに少なかったのかい? って思うよね。
僕ならこう叫ぶつもりさ。
『ああ! 僕の人生はやり残したことだらけだった!』ってね。
あいつは夢と希望に満ち溢れたまま逝った。
死ぬ寸前まで前向きな男だった。そう言ってもらえたら本望だよ」
「なるほど。で、どうしたいんだ?」
「と、とりあえず……もう少し生きたいですっ!」
「言いたいことはそれだけか?」
後ろを向いて駆け出した男の背中に向け、拳銃が火を吹いた。
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