永谷彰浩。
その著作800余冊。
なんという多作。
恐らく地球上で今、最も紙資源を無駄遣いしている男だろう。
なに。それぐらい読まなくたって分かる。
だが批判するためには一冊は読んでみるのが筋なのかもしれない。
そう思い、所用のついでに書店へ向かう。
私は書架の一角を占領する彼の著作群の前で目を瞑り、えいやっと一冊抜き出した。
「今日より明日――素敵なあなたになる為の50の法則――」
うぬぅぅ。よりによって私はなんというタイトルを……。
まあいい。どうせ、どれも似たり寄ったりに決まっている。
カバーなしでよろしいですか?
レジにて赤いフレームのメガネをかけた書店員の女性に訊かれる。
いえ、カバーありでお願いします。
私は断固、即答する。
何? ブックカバーも紙資源の無駄遣いではないのか?
バカな。
帰りの電車で読むのだからしょうがないではないか。
公衆の面前で、こんなものをカバー無しで読まされたら、私はきっと――
吊革で首を吊りたくなる。
何?
あの輪に頭が入るのかって?
うるさいうるさいうるさい。
読んだ。
電車に乗って十分で読了した。
私。素敵になれたかしら……。
なんてバカな。
ぐぅぅぅ。ギリギリと歯軋りしてしまう。
隣に立っていた女性が私の苦悶の表情を目にして距離を取る。
残りの二十分間。
電車に揺られながら私は吊革で首を吊る誘惑に駆られ続けた。
結論。
こいつは純然たる紙資源の無駄遣いだ。
だが私も人の事はいえない。
猛省する。
時間の無駄遣いだった。
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なるほどー。紙と時間の無駄遣いとは…。
公募に挑戦する小説家志望者にはちょっとシビれる言葉ですね(笑;
最近は電子書籍も普及し始めてますから、時代とともに衰退するでしょうね。
首、入らないですよ。生まれたての子供でも。あきらめましょう。
余裕じゃないですか。
……手首が。
そこまでとは知りませんでした・・・。
内容や資源の問題云々より、
どれくらい印税が入るのかってのが気になります(^-^;)
わたしも時間は大事と思う。
お金で買えるものは、ほとんどが無駄遣いなのよ。きっと。
量を書ける人ってすごいな。
そして釣られちゃう人の気持ちもわからなくはないな。
評判に釣られて買った本が、マジくだらなかった時。
「このウ〇コ本がーーー!」
(お食事中の方、すみません)
と思いつつ、そんな本を買った自分にも自己嫌悪。
最近話題のゾウの本とか、どうなのかな?
こんばんは。
おお。公募に挑戦されているのですね。
すごいなぁ。僕も出そう出そうと思いつつ。
なかなか挑戦できずにいます^^;
僕は断然、小説は紙で読みたい派なのですが、
未来の小説の形式はどうなるのかなぁ。
吊革の輪に入れるくらいの小顔になりたいもんです(笑)
鯨さん>
こんばんは。
僕は時々大喜利状態になるこのコメント欄が大好きです(笑)
乳首も余裕で入りますよね。(届かねーよ)
shitsumaさん>
こんばんは。
僕もぐぐって驚きましたよー(笑)
せいぜい百冊くらいだろ。って思っていたら。
内容はともかくとして量的には圧倒されますよね^^;
つるさん>
こんばんは。
ごめんねー^^;
コメントが反映されるのが遅いんだよね。最近。
時間はマジで大事!
落ち着いて書く時間が欲しいなぁ(´Д`)
ベストセラーには極力近付かないようにしてるけど、
結局玉石混淆なんだろうなー。と思う。
iaさん>
こんばんは。
あれ腹立つよね(笑)
最近は読み始めて嫌な予感がしたら、
すぐに放り出すことにしてます。
だんだん書き出しで分かるようになってきたかも^^
ゾウの本ねぇ……
まぁたぶん、読まなくても(ry
全くだ! レイバックこと、礼二くんの
くだらない「たわごと」にコメントする
という時間のムダと
駄文に目を通さなければならない、という
私の今日1日の中で、最大のムダ
いったい、どう責任を取るのだ
(ま、もっとも 礼二くんは、孕ませた子供の責任も取れないが)