47歳無職。
女。
未婚。
結婚どころか、生まれてこのかたキスすらされたことがない、と。
なるほど。
この容姿ですもんねぇ。
記事を読み終えた僕は、新聞を折りたたんだ。
松尾さんは言う。
「そうなんだよ。なのに、歌がなんとも素晴らしかった。
だからこそ会場が沸いた。そう。それこそ全英が泣いた」
「それで昨日、彼女のCDの発売記念パーティに行ってきたわけですね」
「そういうこと」
「どうでした?」
「いやー素晴らしかった。歌は」
松尾さんは両手を広げ、大げさに眉を吊り上げる。
「そりゃそうでしょう」 僕は頷く。
「動画共有サイトの音を、僕の貧相なノートパソコンで聴いても、身体が震えましたからね」
松尾さんは黙ったままコーヒーをすすっている。
「ん? ちょっと待ってください松尾さん。 >歌は。 ってことは、
ちょっと人格的にはあれだったってことですか? 天狗になってたとか……」
「いや、そうじゃないんだ。ほら」
松尾さんはシャツの襟元を開いてみせた。
「どうしたんですか!? その痣!
まさか、暴力ですか? あんなに気の良さそうなおばさんが……」
松尾さんは、少し間を取るように煙草に火をつけ、ふうっと煙を吐き出した。
「いや、俺もな、おとなしくてウブな人だと思ってたんだ。
生まれてこのかたキスすらされたことがないって言うぐらいだしな」
松尾さんはやれやれといった様子で首を振る。
「ですよねぇ……、じゃ、いったい……」
「あのな、彼女――」
僕はごくりと息を呑む。
「――酔うとキス魔だったんだ……」
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この女性の意外な一面が見えるオチも、可愛らしくて爽やかで良かったです。
(前回に引き続き)
私もアンチグリンピース派です。
でもアンチ派の中には、たまに裏切り者がいるんだよね。
シューマイならOKとか、オムライスならOKとか。
「我々はグリンピースの全廃を求める!」
こんばんは。
時事ネタはすぐに書いておかないと、
お蔵入りのパターンが多いですもんねぇ(笑)
冷静に考えてみると、グリンピースの必然性は、まったくないわけですよ。
百歩譲って、彩り? ぐらいですよねぇ。
グリンピースと酢豚のパインと、フルーツサラダ(果物にマヨが許せん)は全廃の方向でお願いします(笑)
珍しく時事ネタに対する考察かと思いました(笑)
キス魔とは、また意外な一面ですね。
いったいどれだけ裏の顔を持っているんでしょう(^-^;)
あ、横レスで失礼しますが・・・
>グリンピースと酢豚のパインと、フルーツサラダ
それ全部好きです(;゜∀゜)
こんばんは。
今回は見出し風を意識してみました(笑)
今後ボイルさんがどうなるかも楽しみですよねー。
>それ全部好きです(;゜∀゜)
shitsumaさんとは結婚できないわ!(泣)
この英国女性、、、どう考えてもスーザン アントンじゃなく
山本 スーザン 久美子(おニャン子で一番のセレブになった…人生て最後が大切だな、と痛感)
スーザン ”ハード”ボイルド エッグ…
酔うとき、妻? じゃなくて 酔うとキス魔 に?
そりゃぁ、”ハード” ボイルードーエッグ ですからね
ハードボイルドな展開にもなるでしょう(苦笑
ん、何かが違う? ミステリーだな そして誰も(この風呂・具=ブログに)いなくなった
阿川 佐和子、、、違っ! アガサ クリスティ