テーブル上の物体と猫とを交互に見る。
お前か。お前なのか。
猫はじっとわたしの目を見つめている。
トイレを覚えてからは粗相をすることなどなかったのに。よりによってテーブルの上とは。
それは、黒く細長く、一本気で(一本気?)、ツヤツヤとしていて、うん、なかなか立派じゃないか。
って、おい。感心しててどうする。
とは言え、まぁ体調は良さそうだ。
フローリングの上で猫は熱心にグルーミングをしている。
待て。それにしてもだ。なぜ下にティッシュが敷いてある? 猫が自分で敷くはずがない。
ううむ……。
母がふらりとダイニングに入ってきた。
「あら。これ食べないの?」
え?
「じゃ、いただきまーす」
食った!?
う、うう、言葉にならない。
「そ、それ」 わたしはやっとの思いで声を絞り出し、母の口元を指差した。
「かりんとうじゃない。美味しいわよ」
……美味しいわよじゃねぇよ。
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でも正体がわかっても「わたし」は食べにくいかもしれません。
おもしろかったです。
逆にかりんとうだと思って食べてしまったら…て方がかなりコワイですが。
ありがとうございます。
ほんとよかった。
まぁあんまり想像したくないシチュエーションですよね(笑)
銀河径一郎さん>
おはようございます。
これ知り合いから聞いた実話なんですがね、
どうやら食べ残しの一本だったらしいですよ(笑)
まったく恐ろしいことが、世の中にはありますね〜(かりんとうだけどね・・)
ところでレイバックさん、小説現代見ましたよ。予選通過者に、「レイバック」とあったんで・・ まさか別人ではないですよね。
ぼくも送ったんですが、全然ダメでしたよ〜。凄いですね〜。
どんなショートショート出したんですか?参考にでも教えてくれませんか?
こんばんは。事実は小説より奇なりですねぇ。
おお。すっかりチェックするのを忘れてましたw
情報ありがとうございます。早速書店で確認いたしました。
もちろん、応募したのはなりすましではなく、わたくしです(笑)
今回応募したのは以前に書いたこの作品です。
http://cab10.seesaa.net/article/45753523.html
次は何で攻めるかなぁ。掲載されたいなぁ。
選者の阿刀田さんを唸らせてみたいですよね(笑)
お前か お前なのか
猫は、じっと私の目を見つめている
人間のくせに、テーブルに粗相をしたのは
きちんとトイレは覚えたはずなのに
でも、黒く細長くてツヤツヤとして立派じゃないか
上のような解釈も出来ますよね
ご丁寧にティッシュを敷いて、その上に粗相するなんて
猫は呆れて毛づくろい、グルーミングに熱心だ
ん、かりんとう? 何だ、それは
人間は、つくづく紛らわしいモノをテーブルの上に置く習性がある
実に厄介な生き物だよ
ねこ目線だと、こんな感じですね♪