ぼうっとしていた。
気がつけばまたろくろを回していた。
はじめて彼女を見かけた日のことを思い出していた。
ガードレールとブロック塀に挟まれたせまい歩道だった。
彼女はヒールの音を軽やかに響かせながら向こうから歩いてきた。
私が脇へよけると自然と目が合った。
彼女はこんな年寄りにもおはようございますと優しく微笑みかけてくれた。
すれちがう瞬間、風に吹かれた彼女の髪が私の肩に微かに触れた。
シャンプーの良い香りがした。
あくる日から毎日あの道を歩いた。
健康のための散歩と称して毎日歩いた。
彼女の行き帰りの時間は毎日あの道のあの場所を歩いた。
おはようございます。
いいお天気ですね。
こんばんは。
お気をつけて。
風が吹くと艶やかな黒髪がふわりとなびいて芳しいシャンプーの香りが、シャンプーの香りが、シャンプーの香りが、しない。
あの時のシャンプーの香りがしない。
それどころか腐臭が鼻を突いてくる。
台なしだった。品の良い彼女にはまるで似つかわしくないにおいだった。
昨日髪を洗ってやったばかりなのに。
ちゃんと彼女が使っているシャンプーで洗ってやったのに。
やはりリンスやトリートメントも必要なのだろうか。
それとも香水かなにかをつけていたのだろうか。
もう一度きちんと調べてみなくてはならない。
今晩も髪を洗いましょうね。私は笑顔で語りかける。
生首は無言のまま、ただくるくると回っていた。
ショートショート:目次へ
タグ:ショートショート
ろくろのまわる音が聞こえてくるようです。
こわ〜。
タイトルを見て、とっさにオチを連想してしまいました。
かなりレイバック・ワールドに洗脳されてます(笑)
今日もスーパーでちくわを買ってしまいました……。
いつの間にこんな事態になったのか、わからないところが怖いですね。
(ちくわの話ではなく、ストーリーの事です)
シャンプーの香りとクルクル感がリアルで、
「奇妙だけど意外とシュールで綺麗な光景だな」と思ってしまいました(笑)
「リアルに想像」と言ってもホラー漫画みたいな感じです。
こちらにもありがとうございます。
かなり変態ですよね。
なんか申し訳ない気持ちでいっぱいです(笑)
こんばんは。
うう。ばれるよね。やっぱり。
ろくろ→ろくろ首→生首 の連想とか単純すぎる。。
ちくわにきゅうりを入れて醤油マヨで食べると旨いんですよねー。
ああ、ビールが飲みたくなってきた。
ぜんぜん病んでないですよ。ノーマルですよ。
よくよく考えると生首なんてろくろに載せても、
ぜったい安定しないよなーとか、、まぁいいか^^;
”年寄”(何才くらいなのか?)に、不意打ちされて”打ち首”になって、”ろくろ首”に、
という展開は、、、現実には実現不可能では?と
人間の首をきれいに(?)斬首するのには、剣豪並みの実力・腕前というか「達人技」の域に
達した人、ご老体 等でないと至難の業だと思うのです
鎌や斧、その他の刃物を以てしても、女性の生首を斬首するのは相当、実は難しいと聞きます
ろくろ の上の 黒髪の女性(首だけの)は、きっと 半分か3分の1くらい、”つぶれて”いる
ことでしょう
…しまった ついマジメに「女性の生首」について論じてしまったじゃないですか
腐臭どころではない、のも事実ですが 腐敗臭が強烈に辺り一面に漂って、犯行がバレバレ
おかしいな 塩漬けにするとかホルマリン漬け にしないと、とても原型をとどめていられない
はずだけど う〜ん…
〜ストーリー〜は、非現実的なシュール感が「漂って」、それこそ爽やかなシャンプーの香りが
漂ってきそうな軽妙な展開だと思います レイバック作品の名作にリストアップ(リストカットじゃないですよ)されてもいいかな
ではでは 「ろくろ」の上に、ちゃんと塩漬けかホルマリン漬けにして 防腐処理 をキチンと
してくださいね
強烈な腐敗臭 より 爽やかなシャンプーの香り のほうが好ましいですから