「なぁユイ、ええやろ?」
「もう、マァくんアカンよ。下にお母さんいてはるねんから」
「さっきお茶持ってきたから、もう上がってけえへんよ」
「そんなん言うて聞こえたらどうするん?」
「声我慢したらええねん」
「アホ、そんなん声は自然に洩れるもんなの」
「ええからええから」
「ちょ、ちょっとマァくん、ああ」
☆ ☆ ☆
「ん……」
「え? ちょっとマァくんどないしたん?」
「……」
「あんた、顔真っ青やんか」
「……」
「え? 悪寒? ちょっと、大丈夫!?」
雅史の指はドアの方を指している。
唯は後ろを振り返った。
「あ!」
「オカン! 何覗いてんねん!」
パタッ
ドアは閉ざされ、部屋は静寂に包まれた。
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おかんに見られただけに、悪寒なんですね(笑)
かなり気まずい状況ですが
これはありがちなお話ですよね!