キャンドルライトが二人の間を、
ゆらゆらと揺らめきながら優しく照らしていた。
と、僕の手を取った彼女が突然、悲しげな表情でこう切り出したんだ。
「もうダメかも知れないわね……」
それまでは笑顔で話をしていたにも拘わらずだ。
「なんで、そんな事を言うんだよ」
それまでの楽しい雰囲気がぶち壊しになった様な気がして、僕は悲しかったんだ。
「でもね、しょうがないのよ」
僕は、納得がいかなくて食い下がったさ。
でも彼女は首を横に振り、こう言うんだ。
「いい? 来年。あなたの恋愛運は最悪なの。
きっと今の彼女ともダメになるでしょうね。
でもね。こればっかりはしょうがないのよ。運命なの」
僕は手相見のおばさんの前に千円札を三枚重ねて置くと、
席を蹴るようにしてその場を後にした。
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情景が目に浮かびます。
悲しいですね(笑
ありませんよ。という教訓でしょうか。
悲劇の一歩手前のお話ですね(笑)
シチュエーションがしっかりとしているから、
どの作品もきちんと画になりますね。
映像を作ってから、文章にしているので
そう言っていただけると嬉しいです^^