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「キャンドルライト」


キャンドルライトが二人の間を、

ゆらゆらと揺らめきながら優しく照らしていた。

と、僕の手を取った彼女が突然、悲しげな表情でこう切り出したんだ。

「もうダメかも知れないわね……」

それまでは笑顔で話をしていたにも拘わらずだ。

「なんで、そんな事を言うんだよ」

それまでの楽しい雰囲気がぶち壊しになった様な気がして、僕は悲しかったんだ。

「でもね、しょうがないのよ」

僕は、納得がいかなくて食い下がったさ。

でも彼女は首を横に振り、こう言うんだ。

「いい? 来年。あなたの恋愛運は最悪なの。

きっと今の彼女ともダメになるでしょうね。

でもね。こればっかりはしょうがないのよ。運命なの」

僕は手相見のおばさんの前に千円札を三枚重ねて置くと、

席を蹴るようにしてその場を後にした。











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この記事へのコメント
キャンドルもね、用途は色々ですものね。

情景が目に浮かびます。
悲しいですね(笑
Posted by 藍 at 2007年07月16日 01:05
蝋燭の光はムーディなものだけじゃ
ありませんよ。という教訓でしょうか。
悲劇の一歩手前のお話ですね(笑)
Posted by レイバック at 2007年07月16日 16:19
これは、動画で観たいです。
シチュエーションがしっかりとしているから、
どの作品もきちんと画になりますね。
Posted by 藍 at 2007年07月18日 15:06
そうですね、基本的に頭の中で
映像を作ってから、文章にしているので
そう言っていただけると嬉しいです^^
Posted by レイバック at 2007年07月19日 01:45
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