目の前を歩いていた女性が、突然道路にうずくまった。
え?
後にいた俺と洋子は、すぐに彼女に駆け寄り、声をかけた。
「大丈夫ですか!?」
彼女は膨らんだお腹を押さえながら、何かを叫んだ。
「%$#&’&!!」
聞きとれない。
ここ数年。この町に増えているブラジル人女性のようだ。
とにかく救急車を呼ばないと……
洋子に指示をし、119番に電話をかけさせる。
そうこうしてる間に、彼女の足の間のアスファルトだけが、水で濡れていることに気付いた。
やばい。これが破水か?
「洋子! 早く! 急ぐように言えっ!」
俺はせかすように叫んだ。
「え、ええ、ハイ、分かりました」
洋子は通話を終えると、俺の方に向き直った。
「到着するのに少し時間がかかるから、
近くの家に運びこんで、そこで待っていてください。だって」
「ええっ!?」
俺達がうろたえていると、通りの向こうから一人の女性が駆け寄ってきた。
「ドウシマシタ!? リサ! #$&%#=$!」
彼女の知り合いのブラジル人女性のようだ。
「リサの部屋、コノ近くデス!
リサを運んでクダサイ、オネガイシマス!」
俺は苦しむ彼女を背中におぶり、なんとか部屋まで運び込んだ。
「ワタシのママが助産婦デシタ、手順はワカッテイマス」
リサの友人が自分で赤ちゃんを取り上げると言う。
洋子に助手役をまかせ、俺は部屋の外で待機する事になった。
まだ救急車のサイレンの音は聞こえてこない。
他に方法は無かった。
薄い木製のドア越しに、リサを励まし、声を掛けながら、
一定のリズムで呼吸をさせる様子が聞こえてくる。
一般的に言われている呼吸法とは若干違うようだ。
国によって違いがあるのかもしれない。
日本の方法よりテンポが速く、忙しい感じだった。
なるほど、
これが産婆のリズムか。
しばらく後。
六畳間の小宇宙に、力強い泣き声が響き渡った。
ほっと胸を撫で下ろした俺が窓の外に目を向けると、
歓喜のホイッスルの代役とばかりに、
ようやくサイレンの音が近づいてきた。
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ちょっと悔しい。面白すぎて。
コメントありがとうございます^^
こんなダジャレでいいのか??
と自問自答しつつ書きましたが、
たまにはいいですよね(笑)
のんびりと更新してまいりますので、
今後もよろしくお願いします。
鼻から牛乳状態でしたか?(笑)
こんなのでウケていただいて
僕は嬉しいです^^
懐かしい!!(笑
あーごめんなさい。そういう仕込みは
していませんでした。残念!(笑
ツライんですよねー(笑)
今度読むときは牛乳をお供に!^^
それは嫌です(笑
子供の頃から牛乳がだめなんです。
悪しからず…どうかご理解下さい(笑
でももう無理。伸びないでしょう。
あと5pあればかっこいいかなとも
思いますけれど。
…何故牛乳の話に。
でも女性にはヒール靴がありますもんね^^