「マァくん。これあげる」
「え? オレまだ誕生日ちゃうで?」
「そんなん分かってるよ。いちお彼女やねんから」
「いちおってなんやねん。いちおって」
「まぁまぁ。またドッジボールしたくないやろ?」
「そらそやわ。こないだはどつかれ損やもん」
「だって顔面セーフやろ?」
「あほ。もうそれはええって。ほんで何なん? この包み」
「まぁ、開けてみてよ。プレゼントやから」
「分かった分かった。せやけど珍しいなぁ、
ユイがオレにプレゼントなんて」
「ちょっと。人を鬼嫁みたいに言わんといてよ」
「お。腕時計やん。ありがとう、デジタルのん欲しかってん」
「マァくん前から言うてたもんね。
ウチが箱持ってるから、それ着けてみて」
「ん? おお。これ黒いし、シンプルやから着けやすいな」
「どう? 何の時計か分かる?」
「え? 腕時計やろ?」
「あほ。それは見たら分かるやんか」
「ほななんやねんな。そんな得意げな顔して」
「知りたい? 知りたい? うふ」
「きもいって」
☆
「痛っ! 分かった分かった、参りました。教えてください」
「最初からそう言うたらええの。
あんな。マァくんいつも、目覚めが悪い悪い言うてたやろ?
ちょっと調べてみたら、人の眠りにはな、
レム睡眠とノンレム睡眠っていう二つの状態があって――
あ。簡単に言うと、レム睡眠は浅い眠り。
ノンレム睡眠は深い眠りやからね」
「ほうほう。ほんで?」
「それでな、人が寝てる間に、
二つの状態が交互にやってくるわけやけど、
レム睡眠の時にタイミング良く起きると、
さわやかな目覚めが得られるねんて」
「なるほどなぁ。ほなオレはいつもノンレム睡眠の時に起きてたってことか」
「多分、そうと違うかなって思ったんよ。
さぁ、そこで取り寄せましたのがこの腕時計だ!」
「なんでそこで寅さんになるん?」
「で、その腕時計はスリープトラッカーって名前やねんけど――」
「スルーかよ」
「うるさい。要するにこれを着けて寝ると、
マァくんのレム睡眠状態を察知してくれるんよ。
それで設定時間内にアラームが鳴るってわけ」
「まじで? めっちゃかしこいやん。コイツ」
「これでマァくんも気持ちいいタイミングで起きれるんと違う?
はぁ〜〜。なんかウチ、いいお嫁さんになれそうやわ〜〜」
「へぇー、大したもんやなぁ」
「スルーか!」
「なんせありがとう。めっちゃ嬉しいわ」
☆ ☆ ☆
「おはよマァくん。どうやった?
あれから一週間やけど、気持ちよく起きれてる??」
「う、うん。まぁ……」
「なに? なんなんよ? はっきり言いなさい」
「いや、昨日はたまたまエッチな夢見ててな、
おお〜。めっちゃ気持ちええ〜。
あ、もうすぐっ!
って所でピピピピピピピピピピピッ! って鳴りよんねん」
「ちょっと、なによそれ。相手は誰!」
「いや昨日は鈴木Eみちゃんと……」
「もういい。じゃあ一昨日はどうやったの!」
「一昨日は北川K子ちゃんと……」
「ちょっと、あんた毎日どんな夢見てるん!?」
「いやほんま、こいつな、一番気持ちいいトコロでピピピ――」
☆
「痛っ!」
「ヘンタイ! もうあんたなんか知らんわ!」
実はこれ。シリーズです。
ユイとマァくん@、A
ショートショート:目次へ
タグ:ショートショート
レム睡眠のときにHな夢を見るのですね。
フゥ〜〜ン。
お口直しに昨日の記事に飛んでカエロっと。
「あはは。あんたの彼氏、サイコー、いやサイテーやな。」
「今度はアラームに電流でも流したろうかと思てんねん。」
「うちの友達に電子工学やってる子おるで」
きっと今頃、ユイちゃんは友人とこんな会話を交わし、
マァくんはさらに怖い目にあうことでしょう・・・(笑)
僕も時々そんな夢を見ます(笑)ですが・・・
だいたいいつもいいとこで目が覚めるんだ!
とても残念な気持ちになるのです。
ほんまにそれ言ってそう!(笑)
続編書いてみます??
リレー形式で^^
私のアラームもこれなのか???
おお。いいところって。
そっち系ですか?(笑)
もう一回同じ夢も見れないし、
悲しくなりますよね^^;