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「兄貴5・番外編」


マサ 「なんかさぁ、暑くねーか?」

ヤス 「暑いってば」

テツ 「いや、さ、さみぃよ」

マサ 「テツ、お前キモいぞ」

テツ 「そ、そんな目を三角にして言わなくても……」

ヤス 「マサは、まったく心が無いよな」

テツ 「マ、マサも変わったよな……」

マサ 「いやテツのそういうところがネックなのよ」

テツ 「そ、そんな事言っても、どうすればー……」

……。

ヤス 「アニキッ、もうこれ以上はムリです!

    いくらジョニーさんの店に来てるからって、

    焼き鳥のネタしばりで会話しろなんてムチャです!」

マサ 「そうですともアニキッ、こんな事しても

    極道の修行にはなりませんでしょう!」

アニキ 「バカ野郎っ! お前らのそのネギマがった根性を

     叩きなおしてやるっ!」

一同 「ア、アニキ……」












アニキ@ABC、 E 



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posted by layback at 23:47
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「大人の玩具」


薄暗い部屋で、わたしはベッドの上に横たわっていた。

カーテンのわずかな隙間から風に舞う枯葉が見える。

この手で触りたい……。

でもそれは叶わぬ願いだった。

得体の知れないあの男に身体を拘束され、手足は自由に動かす事ができない。

この状態では、自ら鍵を開けて外へ逃げ出すことは不可能だった。

部屋の中は荒れている。

床には物が散乱し、壁や柱には無数の傷があった。

食事は与えられているものの、一日一食、あとは水だけだ、

鏡を見なくとも、あばらが浮いてきているのが分かる。

ここへ閉じ込められてから、もう数ヶ月が経つ、

時間や曜日の感覚も、とうに無くなっていた。

もう二度と母と会うことも出来ないのかと考えると、

切なくて涙がこぼれそうになった。

なす術も無く、悲しみの淵に沈んでいるうちに、

眠りに落ちてしまったようだ。

気付くと、部屋の中は真っ暗になっていた。

今は何時くらいだろう?

カーテンの隙間を覗こうとしたその時だった。

ガチャ。

鍵を回す音がし、玄関のドアが開いた。

わずかに外気が感じられる。

アイツが帰ってきた。

緊張し、無意識に身体に力が入る。

リビングの電気が点けられ、

床を軋ませながら近付いてくる足音が、

ぴたりとベッドの側で止まる。

一瞬の間のあと、青白い両手が怯えるわたしを抱え上げ、ソファーへと連れて行った。

生温かい息と共に、能面のように無表情な顔が近付いてくる。

男は冷たく微笑み、わたしの頭を撫でながら耳元で囁いた。

「いい子にしてたかい? 子猫ちゃん?」

私は恐る恐る首を上げ、かすれる声で答えた。

「ニャーオ」

首輪に付けられた鈴の音が、小さく部屋に響いた。













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posted by layback at 00:48
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