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「銃痕」(兄貴2)


「アニキぃ! 大変です!」

「朝から騒がしいぞ。一体どうしたヤス」

「大変なんです!」

「だからどうしたって訊いてるんだろうが! 落ち着けバカ野郎!」

「お、表のドアに銃痕が!」

「何ぃ! 最近都内では抗争が起きてるらしいが、こんな田舎町にまで飛び火か?

俺達の組も名が売れてきたもんだな……」

「アニキィ、そんな悠長な事言ってる場合じゃありませんぜ!」

「うるせぇ。まったく銃声は聞こえなかったぞ。 で、何発だ?」

「じ、10発です、しかも隣にはハム太郎が……」

「何ぃ? まさか……。おい! この目で確認させろ!」


 ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


「アニキィ、ここです!」

「おう、どけっ! こ、これは……

じ、銃痕ステッカー? しかも隣にはハム太郎シールまで……」

「ステッカー!? って事はアニキっ!」

「間違いねぇ、お向かいのアヤちゃんの仕業だろう。

幼稚園児とは言え、ヤクザの事務所に銃痕ステッカーとは、なんと見事な悪戯だ。

分かってやっているとしたら末恐ろしい。

お前らに爪の垢を煎じて飲ましてやりてぇぜ。

しかし、子供の仕業とは言え、極道がやられっぱなしってぇのは、どうにも具合いが悪い。

ウチはやられたら倍返しが掟だからな、

お前ら、お向かいに20発ほどブチ込んでこい!」

「でもアニキ、ウチにチャカはありませんぜ!」

「バカ野郎! アメ玉20発だ」

「わ、分かりました! おいテツ行くぞ!」

「おい待て。お仕置きだからな、半分はハッカを混ぜとけっ!」












アニキ@ABC D


アヤちゃん@

アヤちゃんA


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「キャンドルライト」


キャンドルライトが二人の間を、

ゆらゆらと揺らめきながら優しく照らしていた。

と、僕の手を取った彼女が突然、悲しげな表情でこう切り出したんだ。

「もうダメかも知れないわね……」

それまでは笑顔で話をしていたにも拘わらずだ。

「なんで、そんな事を言うんだよ」

それまでの楽しい雰囲気がぶち壊しになった様な気がして、僕は悲しかったんだ。

「でもね、しょうがないのよ」

僕は、納得がいかなくて食い下がったさ。

でも彼女は首を横に振り、こう言うんだ。

「いい? 来年。あなたの恋愛運は最悪なの。

きっと今の彼女ともダメになるでしょうね。

でもね。こればっかりはしょうがないのよ。運命なの」

僕は手相見のおばさんの前に千円札を三枚重ねて置くと、

席を蹴るようにしてその場を後にした。











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posted by layback at 12:48
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